08 Dec
08Dec

今回ご紹介する文は、あるホテルのカードキー返却ボックスに書かれていたものです。
この英訳も、自動翻訳で翻訳したものをそのまま使ったものと思われます。

追加清算のないお客様はこちらに
カードキーをご返却ください
Click here for customers without additional
payment 
Please return the card key

この英訳をよく見ると、1行目と、2行目の「C」と「P」が大文字(朱書き部分)になっているので、この英訳は2つの文で構成されていることが分かります。この2つの文をそれぞれ日本語訳してみます。

①Click here for customers without addtional payment
 (追加清算のないお客様はこちらをクリックしてください。)
②Please return the card key 
 (カードキーをご返却ください。)

ご覧の通り、最初の文とは違う意味の文になっています。

この誤訳の原因は、文の途中に改行を入れて自動翻訳機にかけてしまったことです。そのため、「追加清算のないお客様はこちらに」と「カードキーをご返却ください」という2つの文として翻訳されてしまったのです。

また、ホームページ内で別のページに移動するときにクリックする「こちら」というボタンをよく見かけますが、その英訳が「Click here」です。自動翻訳機は、「追加清算のないお客様はこちら(に)」という文を、ホームページ中の「こちら」ボタンで使う文だと認識したのです。

このような誤訳を避けるためには、自動翻訳にかける際に、「文の途中で改行せず1つのまとまり(文)として入力すること」が大切です。実際に、日本語原文の途中に改行を入れずに1つの文として自動翻訳するとどのようになるか見てみましょう。

追加清算のないお客様はこちらにカードキーをご返却ください
Please return your card key here if you do not have additional payment.

(追加でのお支払いがない場合は、こちらにカードキーをご返却ください。)

印刷レイアウトで原文の途中で改行が入るとしても、自動翻訳にかけるときは改行しない。ちょっとしたことですが、これだけでも誤訳のリスクを減らすことができます。


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